日曜ドラマでも放映中の、ザ・ロイヤルファミリーを読了しました。ザ・ロイヤルファミリーは早見和真さん作の競馬を題材にした小説です。継承の物語といわれていますが、文字通りロイヤルホープという馬からはじまり、その仔、ロイヤルファミリーの活躍を中心とした内容になっています。ともすれば馬の話題ばかりになってしまいそうなところ、ちゃんと人間ドラマも含まれています。
競馬好きなためもあってか、最初から物語にぐいぐいと引き込まれ、あっという間に読んでしまいました。あわよくば、自分も現実世界で一口馬主として有馬記念などのG1レース優勝の瞬間に立ち会って喜んでみたい。そんな風に強く思いました。それを可能にしてくれる馬は、現時点ではリバーバレイトが有力でしょうか。そんなリバーバレイトも、母リリーバレロに出資していた由縁で一口もっています。これもまた継承の物語なのだな、と感じます。
そしてもう1冊は、朝倉かすみさんの「平場の月」です。こちらは映画も話題になっていますね。50歳が主人公の恋愛小説と言われていますが、どちらかと言えばもっと大きな、生と死をテーマにしたものだと自分は感じました。読んでいると、聞いたことのあるお店やモノの固有名詞で溢れています。また、登場する人物のちょっとした仕草の描写などからも、日頃「ごく当たり前のように、生きている」と言うことを意識させられます。
巻頭から、物語の大きな結末が分かってしまう描き方もまた、珍しいものだと思いました。ごくごく、当たり前のように生きていますが、もっと日々を慈しむように生きていきたい。生きていこう。そんな風に思わせてくれる小説でした。

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