2018/02/15
八ヶ岳連泊ツーリング、2日めは文字通り八ヶ岳方面へ。
せっかくなら八ヶ岳をぐるっと廻って、ベース地である五光牧場キャンプ場へ戻る1日にしようと決める。
ふと思い返すと、同じキャンプ場に連泊はこれが初体験。
テントはもちろん、昨晩に使ったテーブルや焚き火台など諸々の道具を置いて出掛けることが何となく不思議だ。
帰ってきたら無くなってしまっていないだろうか?という心配よりも、キャンプ地をあとにする時はいつも片付け作業が伴うもの。その片付け行為をしないまま出掛けることに対して、何だか違和感を感じたりした。
あれ?もしかして自分は潔癖だったり完璧主義なんだろうか?なんて思ったりもしたけれど、おそらく連泊キャンプの割り切り方に慣れていないだけだとも思う。
思い出の地、八ヶ岳をバイクで走る
五光牧場オートキャンプ場を出発してすぐ、今回の長野ツーリングで行っておこうと思っていた場所へと向かう。
その場所は八ヶ岳の別荘地。
昔、叔父が別荘を構え何度も連れていってもらっていた思い出の場所。
今年の春、昔のアルバムを片付ける決意をしていた時、そんな八ヶ岳の写真が何枚もでてきた。それらをデータとして取り込んでいるうち、もう一度ここには行っておきたいと思うようになっていた。
写真は、そんな叔父のログハウス2階から紙ヒコーキを暖炉めがけて投げようとしている1枚。
みごと入って燃えたらお小遣いやるよ!なんて叔父が言うものだから、それはもう、何度も飛ばしては何度も階段を上り下りしたなぁ。
結局、紙ヒコーキは一度も暖炉に入ることはなかったけれども。
そんな愉快な叔父も、今はホスピス暮らしがメインになってしまっている。今回の旅の写真で、また元気になってもらえたら。
そんな思いもあり、今回の長野ツーリングなのでした。
思い出のログハウスは、あっけなく目の前にあらわれる
なんとなくの場所を覚えていただけだったけれど、まぁ何とかなるだろう。
そんな気軽な気持ちで行ってはみたものの、いざ別荘地(※)を走って見ると、どの道だってその昔に歩いたような気もしつつ、どの道も余りに似た景色で、少しだけぐるぐる廻ってしまう。
※別荘地は、そこに住まわれる方のためのエリアです。それも重々承知していましたが、今回だけはゴメンなさい。
緩い坂を一度登り、そこから下るような砂利道に分け入ったとき「そうそう、ちょうどこういう下り坂を行った先にあったな。」という漠然とした期待は、次第に「たぶん、この道の先にある・・・。」という何か緊張感のような感覚に変わっていった。
ぽつんぽつんと建っている左右の家々を見渡しても、まったく記憶もない、しかも似たような景色。
下り坂だってそんなに長い距離ではなかったはずだったけれど、その時の感覚をたぶん自分は一生忘れないだろう。
そして左手、少しだけ木々が生い茂る向こうに見覚えのあるテラス、そしてログハウスが見えた。
今はどなたかが住まわれているようだったので(訪れた時はお留守でした)、むやみに写真を撮ることもできなかったけれど。それでも懐かしい景色、Vストロームと一緒に数枚だけ撮ってきた。
今と比べてあの頃はみんな元気だったし良かったなぁ、なんて思わない。今も楽しいから。でも間違いなくあの頃も良かったし、ログハウスにいつでも連れて行ってくれた叔父はもちろん、親戚や従兄みんな不思議なくらい仲が良かった。そして、たくさんのことを楽しませてもらっていた経験は、たぶん今の自分にとって何か原点のうちのひとつになっているのだろうと思う。
ビーナスライン、最高に気持ち良い・・・
八ヶ岳しみじみラインを後にし、次はもうひとつ走ってみたかった場所「ビーナスライン」へ。
途中で白樺湖にも寄ってはみたものの、湖畔のホテルは廃業してしまっているところも多かった。
白樺湖からのビーナスラインは、ほんとに気持ちの良い景色ばかり。
残念ながら富士山の姿を眺めることはできなかったけれども。
大展望台・三峰茶屋の「きのこ汁」はおすすめ
昼も取らず、ただただ走り廻って景色を眺めたりしていたけれども。さすがに小腹が空いてきたので、途中にあった「三峰茶屋(みつみねちゃや」にて小休憩。
ここで頂いた「きのこ汁」が味噌も含め、とても美味しかった。またビーナスラインに来ることがあったら、ぜひ立ち寄りたいと思うほど。
茶屋の裏手には、少しだけ小高くなっている展望台があり・・・せっかくだから登って眺めてみたところ、これまた素晴らしい山々の風景。
よーく目をこらして山をみてみると、山道のようなものが見える。さらに見ていると、ところどころに登山をされている方の姿も。
上の写真の中央、いちばん高くなっているところまで登っていけるようである。
あまりの気持ち良さに「今から自分も行ってみようかな」なんていう気持ちが湧いてきた。が、そんなに遠くなさそうに見えてしまうのはきっと錯覚で、実際に向かってみたらきっと2時間あってもたどり着かないんじゃないだろうか・・・
今日は、やめておこう・・・。でもいつか、ここを登って降りてくるためだけに1日を費やすのもよいかもしれない。
ところでこの三峰茶屋、きのこ汁だけでなく、きっとこのあたりで採れるものなのだろう色々な山菜なども売っていて。そのなかのひとつ、椎茸を試食させてもらったところこれもまた美味しいのなんの。
ひと口食べた時に「え!?」と思うほどの旨味と香り、食感だった時の表情を、ひとりで切り盛りしてきのこ汁を売っていたおっちゃんは見逃さなかったのだろう。
「うわ、美味しいなこれ」と思うよりも先に「どう?美味しいでしょ!」と言われてしまった。
すかさず、お土産用に購入。
どんこ椎茸という品種らしく、今回はじめて食してみて個人的に感じたのは「通常の椎茸よりも芳香」で「肉厚」という2点。
どんこ椎茸業者のまわしものでもなんでもないが、最初のひと口から鼻へと抜ける独特の香りは松茸に近いものがある。そして、かさ部分が肉厚(水に戻すと、さらに肉厚に!)なので、出汁といっしょに煮込み終わったら、あとはざっくり切っただけのものでも十分に楽しめる。まぐろのぶつ切りならぬ、どんこ椎茸のぶつは、かなり気に入った。
ちなみにどんこ椎茸は、椎茸の戻し水と砂糖、しょうゆで軽く煮込むだけ、という手軽さ。この仕込み過程についてはまたどこかで記事にしていみたいと思う。
そうだ。そんな、どんこ椎茸のぶつの写真だけ載せておこう。と写真を見て、思った。見た目や食感から、山の鮑(あわび)と例えるのが適切かもしれない。兎にも角にも、どんこ椎茸に惚れてしまったのだ。
ね、鮑に見えなくもない。
連泊キャンプだと、設営準備なしで焚き火が楽しめる・・・
八ヶ岳を囲むようにぐるっと一周ツーリングを終え、ベース地である五光オートキャンプ場に帰還。設営場所まで戻る前、受付で薪を購入してバイクまで戻るとパニアケースにとんぼが一休み。もうそろそろ、秋ですなぁ。
薪は、こんなふうにタンデムシートに乗ってもらいました。
ちなみにVストの純正パニアケースのサイドも、空っぽの状態であれば薪も積載可能なことを今回の旅で知る。
早めの焚き火を楽しみつつ、2日めの夕飯も山田農場で購入した手羽のタレ味。
焚き火を眺めながらまったり、のんびりと夜が更けていくのでした。