2018/02/15
日本ボロ宿紀行という本を読んでから、すっかり気になってしまった千葉県香取市にある「水郷佐原(さわら)」。
「千葉県にも情緒残る町がある」ということは以前から知ってはいたけれど、なかなか行こうと思うキッカケがなかった。
そんな日本ボロ宿紀行の本のなかにあった「小江戸とも呼ばれるほど古い町並みが残っているのが千葉県の佐原」「これだけの規模で古い町並みが残っているのは奇跡的ではないだろうか」という一文を読んだらぜひとも行ってみたくなってしまい。
天気のよい11月の3連休、日帰りで佐原に行ってみたツーリング日誌です。
佐原で感じた遠い時代の記憶と、祭りの熱気
佐原、とても良いところでした。
「江戸の街並みのような雰囲気を残す街」とは聞いていたけれど、うわさ通りに古い木造建築の建屋がいくつも残っていて、それらを眺めながらゆっくりと散策するだけで楽しい。
メインストリートは川沿いなのだけど、そこからちょっとした路地裏に入って行っても古い建物が残っていたりするので、思いつくままぶらぶらと散策する楽しさもあります。
当然だけれども、江戸時代がどんな風情だったのかを実際には知らない。
それでも木造建築が連なる街並みを散策するだけで、どこかほっとしてしまうのは何故だろう。
キャンプでたき火を眺めているだけでホッと安らぐのはなぜか。
遺伝子に組み込まれた遠い記憶がうんぬん・・・と言ってしまいそうなのを、ここはぐっと堪えて我慢しておく。(言ってるけども)
でも、うまく説明できないけれど、そういうことって間違いなくあるんじゃないかと思っている。
散策中に立ち寄った「佐原町並み交流館」という佐原の昔を伝える民俗館と観光案内が一緒になったような施設内に、ずいぶんと昔の「佐原の大祭(夏祭り)」の映像が流れていた。
山車をひく人、その山車の上に座り笛や太鼓を叩く人。山車の周りを楽しそうに走り回る子供たちが映っているモノクロ映像はなんと昭和11年のものらしい。
今いるこの町の、今歩いていた道と同じ道を、ずっと昔同じように山車をひいていた人たちが居たのだ。駆け回って遊んでいた子供がいたのだ。
古い映像なのでもちろん音声はないけれど、その映像と今の街並みの雰囲気とをできるだけ重ね合わせてみたくなってしまい、しばらくテレビの前で立ち止まり見入ってしまった。
もし佐原に行かれたら「佐原町並み交流館」にある、昭和11年当時の祭りの映像はおすすめです。
※このYouTube動画(写真)は佐原と何の関係もありません。でも、交流館で祭りの動画を観ている時の感覚は、この数々の写真を眺めている時と同じような気持ちになりました
思えば祭りは不思議なものだ。
年に一度の祭りを、みんな楽しみに過ごしてきたのだろう。
お祭りなんて面倒くさいとぶつぶつ言う人も、何だかんだその日を迎えるための準備をしたりする。(そんな人に限って、当日とても楽しそうにしていたりもするのだから、なおさら不思議なものだ・・・)
そして祭のあいだは、大人も子供も。老若男女関係なくみんな夢中だ。
あの、ちょっと油断すると独特の熱気にやられてしまうような不思議な空間と時間。
「ほいやさー、よいやさー。ほいやさー、よいやさー。」
そんな声を遠くに聞きながら泊まれる宿が今もあるなら、ぜひとも行ってみたい。
あんまり関係ないけれど、夏の熱気といえば個人的に好きなのがスチャダラパーのサマージャム’95。
「誰のせい?それはあれだ。夏のせい。」
昼食は東洋軒の「インディアンライス」
佐原で昼食は何を食べよう?
いくつかある鰻屋の前には入店待ち行列もできていることから、どうやら名物は鰻のようである。
でも、ぶらっと一人で佐原にきて唐突に「鰻を食べよう」とも思えず、ここはネットのチカラに頼る。
東洋軒の「インディアンライス」はソウルフードである。という幾つかの記事を読み、東洋軒へ向かうことにした。
賑わいある川沿いからは少し外れた、静かな場所にお店はあった。
インディアンライスとは、いわばピラフのようなものを指しているのだろう。
インディアンライスと洋風ソースで味付けされたポークソテー。味噌汁とサラダ、お新香が付いて800円のランチ。
いずれも優しい味付けなのは、昔ながらの洋風屋さんならではだろうか。そして意外にボリュームもあり、食後にあらためて散策をする元気をもらうことができた。
こちら東洋軒、創業は大正15年と歴史ある洋食屋さんです。
2020年11月22日の道のり
走行距離:181km
次にこちら方面へ出かける時は、日本ボロ宿紀行にもあった銚子の街をぶらり巡ろうと思っている。