十三機兵防衛圏は、良いゲームだ

インプレ

Xのフォロワーさんが推されていた「十三機兵防衛圏」のPS5版をプレイしてみての所感。

まず、「十三機兵防衛圏」はADVゲームというジャンルになるそうです。

「ADV」とは、アドベンチャーゲームの略称で、プレイヤーが選択肢を選びながら物語を進めていくゲームジャンルです。RPGのようにキャラクターの能力値を上げることが少なく、謎解きやストーリーの展開を楽しむことが主な目的です。テキストを読み進めたり、簡単なアクションをしたりしながら、プレイヤーの選択によって物語が変化する点が特徴です

物語を楽しみながら、その時、その時でキャラクターを選びストーリーが展開してく形ですね。十三機兵防衛圏の場合、そこにアクションゲームの要素が付けたされているといったものになるかと思います。上記AIの引用文には「キャラクターの能力値をあげることが少なく」とありますが、十三機兵防衛圏には各キャラクターのレベルアップや性能UPの要素もあります。

まず、十三機兵防衛圏をプレイしてみての感想は「登場人物が多すぎて、なかなか名前と容姿が一致しない。それに付け加え、名前がみんな複雑・・・」でした。日頃から人の名前を覚えるのが苦手な自分には致命的です。これには慣れていくしかないと思います。主人公プレイヤーは13人、なんとか覚えます。

ちなみに、13人の名前を備忘録的に残しておきます。

  • 鞍部 十郎(:くらべ じゅうろう)
  • 薬師寺 恵(:やくしじ めぐみ)
  • 関ヶ原 瑛(:せきがはら えい)
  • 冬坂 五百里(:ふゆさか いおり)
  • 三浦 慶太郎(:みうら けいたろう)
  • 郷登 蓮也(:ごうと れんや)
  • 南 奈津乃(:みなみ なつの)
  • 比治山 隆俊(:ひじやま たかとし)
  • 緒方 稔二(:おがた ねんじ)
  • 如月 兎美(:きさらぎ とみ)
  • 網口 愁(:あみぐち しゅう)
  • 鷹宮 由貴(:たかみや ゆき)
  • 東雲 諒子(:しののめ りょうこ)

13人もいると、さすがにご贔屓プレイヤーが何人かできるもので。個人的にはバイクに跨って登場する網口愁と、スポーツ万能朗らかな「鞍部由紀恵」の章がお気に入りです。

十三機兵防衛圏は、ストーリーを楽しむ物語モードと、アクション要素を楽しむ戦闘モードの2つで構成されています。序盤は自動的に物語モードと戦闘モードが交互に織り交ざりすすんでいくのですが、ある程度進むと「崩壊編(BATTLE)」「追想編(ADVENTURE)」「究明編(ARCHIVES)」の3つを選択できるようになります。

・崩壊編(BATTLE)- 機兵を操り世界の危機に立ち向かいます

・追想編(ADVENTURE)- 13人の主人公の視点で過去の断片をたどります

・究明編(ARCHIVES)- これまでに明らかになった事実を振り返ります

崩壊編(BATTLE)は文字通り、機兵を操り、ターミナル(いわゆるベース基地のようなもの)を守りつつ襲ってくる敵を撃破するといった内容です。ここでは追想編に登場するような機兵や敵は緻密には描かれず、ポリゴン風の敵を倒していく形になります。この点も、好き嫌いが分かれそうですね。ごりごりに描かれたロボットを駆使して、同じくリアルに描かれた敵を倒していくというようなアクションゲームを期待していると、ちょっと肩透かしを食らうかもしれません。

個人的には別にリアルに描かれている必要はなく、遠距離ミサイルが敵めがけて飛んでいくシーンや近接線で敵をバッタバッタとなぎ倒すシーンが爽快なので気になっていません。

追想編(ADVENTURE)こそが、このゲームの真骨頂のような気がします。13人の主人公をその都度選択し、物語を進めていく形です。キャラクターみんな、よく喋ります。登場人物たちのそんな会話を楽しむのも醍醐味かもしれません。あと、サウンドもよく出来ていて例えば歩くときの足音(コツコツ・・・といったものから、タタタっというものまで)までよく表現されています。

ただ、前述のとおり名前と顔を一致させて覚えるのが苦手な自分は、そこに苦労します。と言うか、序盤はそこをおざなりのまま進めていってしまいました。でも、心配はいりません。もうひとつのモード(究明編)があります。

究明編(ARCHIVES)では、それまでに体験した追想編を振り返りプレイすることができます。このモードがあるお陰で「何がどう繋がっていたんだっけ?」というような時に振り返りができますし、「このキャラクターどんなシーンで出てきたんだっけ?」の再確認ができます。

 

以上、ざっと「十三機兵防衛圏」がどのように構成されているゲームか紹介してみました。ここからはその世界観を自分なりに解説していきます。

まず、「十三機兵防衛圏」の世界観はSF要素を含み、非常に細部まで練りに練られて作られていると思います。太平戦争時代の1994年、敵の襲来が危ぶまれる1985年、崩壊寸前の2104年など、各時代を往来しつつ、各主人公目線でその時、その時のストーリーが織り込まれています。このゲームをプレイしていると、それはまるで良質なSF小説を読んでいるかの如く。そして小説にありがちな男女間のちょっとした恋愛要素などもあったりして、至れり尽くせりです。

そしてこのゲームをプレイしていて強く思うことがもうひとつあります。それは、「小説として、本という媒体でもこの物語を読んでみたい」ということです。もっとこの世界観に没頭してしまいたい。まるでその世界に入り込んでしまったかのように楽しみたいと思うようになり、それは本を読んでいる時の感覚に近いかと思うのです。

そして、プレイしはじめてまだ序盤ですが「終わらないでくれ、終わらないでくれ。ずっとこのまま続いてくれ。」と願いながらコントローラーを握っている自分がいます。これもまた、本を読んでいる時の感覚に近いですね。

Xのフォロワーさんがおすすめしてくださった「未来経過観測員」というSF小説も(まだ積読になっていますが)きっと、同じようにその世界観に没頭するのではないかと思われます。

来年(2026年)に発売予定の、GTA6までの繋ぎのようなつもりで十三機兵防衛圏を購入してみた自分を、今は恥じています。繋ぎで、ちょこっとプレイできればいいかな。なんていう軽い気持ちで始めてみたら度肝を抜かされました。スキマ時間で遊ぶにはあまりに出来過ぎたその世界観に、どっぷりと浸かっています。

そして、実際にプレイしていて思うのです。「十三機兵防衛圏」は良いゲームだ、ということを。

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