2018/02/15
2018年のモーターサイクルショーで目にとまった、ハスクバーナのスヴァルトピレン。(当時の記事を振り返ると実際にはスヴァルトピレンではなく、ビットピレンを気にしていたようである(笑))
ちなみに「ピレン」とは、スウェーデン語で「矢」を意味しているとのこと。「ビット」は「白」で、「スヴァルト」は「黒」。「白い矢」と「黒い矢」が、ビットピレンとスヴァルトピレン。このネーミング由来だけでやられてしまいそう。
スヴァルトピレン、とっても乗りやすい
以前は奇抜なデザインだなぁと思っていたけれども。日本車にはないこのデザインが一度気になったら、もう気になってしまって気になってしまって仕方がないのである。ということで、東京都は葛飾区にある「トライアンフ葛飾 トーテム・ポール葛飾」さんの試乗車に跨らせて頂きました。
店頭には、ビットピレンとスヴァルトピレンが展示されていました。この展示車のスヴァルトピレンに15分ばかりのライディング。
事前に教えて頂いた試乗コースを理解していたつもりが、最初の目印「吉野家」の道を左折し損ね、いきなり試乗コースを大きく逸脱してしまう。スイマセン。
1速でも引っ張れる、3~4速時の低速も柔軟に対応してくれる
スヴァルトピレン、とても乗りやすかったです。KTMのDUKE390に乗ったことはないのですが、スヴァルトピレンも同じエンジンをベースにしているとのこと。そもそもKTMのエンジンって、こんなにも快適なのだろうか?それはそれでDUKE390や、来年発売予定と噂されている390をベースにしたアドベンチャーモデルにも興味が湧いてしまう。
ちなみにスヴァルトピレンに限った話ではないのですが、初めて乗る試乗車のギアレシオを知らなければ、ギアチェンジのタイミングさえも分からないので。以前に試乗させてもらった「ヤマハMT-03」の際も、時折ガックンガックン言わせてしまったのだけれども。(今だから言える・・・)
スヴァルトピレンは1速でもある程度頑張ってくれるし、逆に3~4速のまま不本意にも低速になってしまった際、あからさまにガタつくことなく自然にギアダウンしようと思える乗り味でした。スムーズなギアチェンジとは言えない試乗でしたが、とてもレスポンスが分かりやすいので、その扱いを手のうちにすることが出来たら間違いなく楽しいバイクだと思う。
また、ノーマルでも既にアップハンドルとは言え。それでも若干は前のめりなライディングポジションなので、好みによってはさらにアップ気味のハンドルに変えることで楽しみ方の幅も広がりそうな印象。
メーターは丸型ひとつのシンプル構成ですが、タコメータやギアポジション、フューエルメーターなど必要な情報すべてを備えています。
独特なタンク形状が、とても艶めかしいと思ってしまった
モーターサイクルショーでは「ここ、別に頬張らせなくてもいいですやん。」と思った独特なタンク形状。吉野家を曲がり損ねた後、コンビニで地図を確認している際にふとスヴァルトピレンを見てみたら。
独特な形状ゆえ、周囲の景色が「ぐにょん」というような感じでタンク周りに映し出されていた。こういうことを意識してのタンクデザインにしたのかとさえ勘ぐってしまう美しさだ。そしてハスクバーナ(と言うか、車・バイクに限らず北欧メーカ全般に関して言えることかもしれない)なら、実はそういうことですら本当に計算済みのデザインな気がしてならなかったりしている。
このデザインにリアキャリアを望んでしまうのは、本末転倒だろうか
ノーマル状態で、既にリアをぶった切ったようなスヴァルトピレンとビットピレン。洗練された印象はその特徴的なデザインから来るものだと分かっていながらも、やはりリアキャリアがあったなら、なお良いのにと思ってしまうのは贅沢な望みだろうか。
写真のように、タンク上部には標準でステーが装備されているので、社内・社外品問わずタンクバッグの取り付けに関してはかなり融通が利きそうであることは容易に想像できる。ただ「スヴァルトピレンで遠距離ツーリングを」と考えると、やはりリアにシートバッグも積載することが出来たらと思ってしまう。
その点をトーテム・ポール葛飾の方に伺ってみたことろ、現時点で純正リアキャリアが出るという話はないようです。ただ、標準でタンデムグラブハンドル用のスクリューホールがあるため、社外品で発売されてもおかしくはないとのことでした。(ただ、社外オプションの充実度は車体販売台数に依るところが大きいと思うので、この点の現実味については正直微妙なところでもある。)
【2018年9月追記】
純正品ではなくサードパーティーからだが、スヴァルトピレン・ビットピレンに適合したリアキャリアが発売されていました。詳細はWebikeのコチラ ⇒ https://www.webike.net/sd/23873095/
乗り出し価格は、いかほどに?
今回、見積もりを作成して頂くまでには至りませんでしたが参考程度に乗り出し価格をお尋ねすると「約90万」とのことでした。車両本体が77万。整備費や登録料を含めるとそれ位のお値段になるようです。
独特なデザインが気になってしまったら、もう乗るしかないと惹きつけられそう
この独特なデザインについては好みがはっきりと分かれるかもしれませんが。それゆえ、一度気になってしまったら一気に引き込まれてしまうだけの魅力を持っているのもまた事実でしょう。しかもデザインだけではない、実際に試乗をしてみて感じた操り易さもしっかり備えているとなれば、なおさらのこと。
「一度虜になってしまったら、これしかない。」そんな魅力を持っているのが、ハスクバーナのヴィットピレンとスヴァルトピレンかもしれません。この両モデルをきっかけに400ccクラスがまた活気づいてくれるような気がした、真夏のスヴァルトピレン試乗インプレッションでした。