2018/02/15
2020年2月末時点、コロナウイルスの感染拡大はとどまることを知らず。むしろ勢いは増すばかり。
未知のことであるから、当然、ちょっと怖い。
ただ、不要不急の外出は控えるよう北海道知事が道民に対して「緊急事態宣言」を出したあたりで同時に起きた「デマ」と「買いだめ」という行為には、正直「またか・・・」という思いばかり。
今回は「マスクとティッシュは使用する原材料が同じだから、次に無くなるのはティッシュみたいだよ」というようなツイートをきっかけに、ティッシュとトイレットペーパーが、ある日こつ然と店からその姿を消してしまったのだ。
この出来事を最初に教えてくれたのは同じ職場で働く、中国からやってきている同僚だった。
「どうしてトイレットペーパーなくなるですか?」と唐突に尋ねられ、騒動のきっかけを知らなかった自分は「昔むかし、オイルショックという出来事があってね。石油が日本に入って来なくなる=紙がなくなる!という騒動があったんだ。
当たり前の暮らしが出来なくなるかもしれない!という当時の不安と、今の状況はとても似ていると思う。だからトイレットペーパーを買っておこうという行動に繋がっているんだと思う。」と、こと細かく説明した。理解してもらえたかどうかは、分からない。
そしてこの説明をしながらふと思ったのだけれども。
日本人には元来、不安要素が大きくなるような局面では「紙が無くなってしまうかもしれない。紙を貯蓄しておくべきだ。」という、何らかの自己防衛スイッチがDNA的に刷り込まれているのかもしれないとさえ思う。
そして今回のティッシュがお店から姿を消す事件であらためて思い出したことがひとつ。
惣菜パン、姿を消す事件
まだ記憶にも新しい2019年秋、巨大台風が関東地方を直撃するというニュースが話題になった時には、上陸前夜のコンビニやスーパーから「惣菜パン」が姿を消したのだった。
ふだんコンビニの棚に豊富に並んでいる幾種類もの惣菜パンがまったく無くなっている傍らで、充分に日持ちもするし非常食にも最適であろうカロリーメイトは普段と何ら変わりなく、当たり前のように陳列されている光景がとても不思議だったことを覚えている。
電気やガスなど、生活基盤であるインフラ供給が停まってしまうことを想定した上での行動であれば、わずか2~3日しか日持ちしない惣菜パンをわざわざ選ぶ必要が、どうしてあるだろう。
自分は行動心理学というものを知らないけれど、「巨大台風がやってくる」となった時に総菜パンが売り切れていた当時の光景を見た時に、その現象がとても興味深かったし、「このような行動の裏にある心理的なものを推察してみる」ことが、わりと好きなのかもしれないと気づいたのだった。
もちろん、真剣になって備える人たちを嘲笑するつもりは全くない。
ただ、前述のように「日持ちしない惣菜パンを競うように買うことが、本当の備えと言えるだろうか?」とも思っている。
この「惣菜パン事件」(事件でもなんでもないけれど、個人的にそう呼んでいる)から半年もしないうち、続いて発生したのが今回の「トイレットペーパー事件」である。
備えるということを、もう少し日常的な習慣にしてみよう
話を「トイレットペーパー無くなる事件」に戻します。
そして「有事の際の備え」について少しだけ真面目に考え残して置く前に、そもそも「有事」って何ぞや。について。
有事(ゆうじ)とは、国家や企業の危機管理において戦争や事変、武力衝突、大規模な自然災害などの非常事態を指す概念。対義語は平時あるいは日常時である。
Wikipedia「有事」より引用
対義語にもあるように、「当たり前な日常」の反対が「有事」で。
そうした日常にある、当たり前のことが享受できなくなってしまうかもしれないという不安から、今も昔も買い占め騒動が局所的に勃発してしまうのだろう。
そろそろ、この「当たり前だと思っていることが、享受できなくなってしまうかもしれない」というシミュレーションを、当たり前のような日常を送っているうち、少しだけでも想像してみるところから始めるような流れになっていったらな、と願っている。
自分は備えてます、意識高いですというつもりはないけれど、本当にほんのちょっとしたことで安心感って増すもの。(と言いつつも、よもやティッシュがそうなってしまうことは想像していなかった・・・。花粉症シーズンが本格的にやってきてしまったので、正直ティッシュが無いのは辛いです。)
ただ、キャンプが趣味のひとつとなって以来、確実に備えも出来ていると思うようにはなっている。
つまりキャンプは趣味でもあり、生きていくためのちょっとしたコツも得られるとっても良いもの。(結局「キャンプ良いゾ」という話につなげたかっただけかもしれない。)
例えばイワタニのジュニアガスバーナー。
とりあえずコレとカセットガスさえあれば、お湯が沸かせる。カセットガス1本も、百円ショップで購入できる。(ホームセンターなどでは稀に「3本280円」で売られていたりもするので、百均のほうが実は割高である。)
特にカセットガスはキャンプ時の必需品でもあり「あるに越したことがないモノ」で、常時8本ほどストックがある。
ガスさえあれば、お湯が沸かせる=パスタやカップラーメンだって非常食になる。その気になれば、メスティンでホカホカご飯だって炊けてしまう。
となると、もうひとつ必要なものは「飲料水」。
これはたまたまだけれど、部活をはじめた娘が毎日のように水を持っていくようになって以来、2リットルの水を4~5本はストックしておくようになった。
ガスや水道が停まってしまった際、コンロとカセットガス、水さえあれば、冷蔵庫の食材をほぼ普段と遜色なく調理することだって可能だと思っている。
少し大げさかもしれないけれど、例えば電気の供給もなくなったとした場合。そんなことが数日ものあいだ続くかもしれないような状況になったとしたら、誰もがきっと冷凍庫や冷蔵庫の生鮮食品から消費していくことを選択するはずで。そのときに火を使えない状態では、恐らく無駄にしてしまうものが殆どかもしれない。
ガスコンロとカセットガス、水。とりあえずこの3つがあるだけで「数日間は何とかなるだろう」感は増すものだ。
冷蔵庫の食材だけでは心もとないのであれば、尾西の白飯もおすすめ。
これは北海道で出会ったシゲさんに教えてもらったモノだけれど、お湯を注ぎ入れるだけで美味しいご飯を頂くことができる革命的な商品。しかも、(そこそこ)美味しい。キャンプ場にてこの白飯をおすそ分け頂き、レトルトカレーと一緒に食べた時は本当に美味しかった。
5年間の長期保存が出来るのも大きな特徴であり「コレはまたキャンプした時に食べよう。」と思って購入したはいいけれど、メスティンでご飯を炊くばかりで、今はすっかり保存食となっている。
こんな感じで「最低限、何とかなるだろう」感を抱かせてくれるのがキャンプ用品の存在でもある。
もちろんキャンプ用品である必要もなく、普段使いのガスコンロだって今は薄型でコンパクトなものが色々と出ているし、冬には鍋も楽しめる。そして繰り返しになるけれど「コンロとカセットガス、水」を常備しておけば、少なくとも非常時に総菜パンを買っておこうという発想になることは、ないような気がしている。
転売ヤーに対する非難も大きくなっているけれど、そもそもそれって裏を返せば彼等は「これが品薄になるだろうな」という先見の明というか、アンテナを駆使している証でもあるんじゃないかな、とも思っていて。もちろん擁護すべき理由は何処にもないけれど。その行為を「けしからん!」というだけではなく、自分や家族を守るために日頃から何を備えておくべきか。
だったり、「なるべく転売ヤーの振る舞いに憤らないようにするには」というまた違った観点で考えてたら、自ずと最低限のものを最低限はストックしておこう。という考え方にもつながるような。
そして、ティッシュも今後はストックしておくべきモノに入れておく必要があるのかもしれない・・・