FTR223と行く

FTR223からVスト250乗りになりました。明日はバイクと、どこ行こう。バイクでトコトコ、どこ行こう。

合鍵とホームセンターのおばちゃん、メルカリで譲ったトップケース

time 2021/04/11

合鍵とホームセンターのおばちゃん、メルカリで譲ったトップケース

Vストロームのトップケースをスズキ純正のものから、モトボワットのそれに付け替えたのは2020年12月のこと。

これを機にそれまで装着していた純正トップケースはメルカリへ出品し、ほどなくして他の方の手に渡ることとなった。

無事に受け取ってもらってから4か月ほど経った、2021年4月のこと。

購入いただいた方から、他のメルカリ出品中商品に対してコメントが届いた。(※メルカリは取引完了後、ある一定期間を過ぎると出品者、購入者間のメッセージやり取りページも閉鎖されてしまう)

「トップケースの鍵を紛失してしまいました。スペアキーがあれば、お譲りいただけませんか?」

これは一大事である。

開けることのできないトップケースなんて、それこそまさしく「ただの箱」をバイクに載せているだけになってしまうではないか。空のお弁当箱をつねにカバンに入れて持ち歩いているようなものだ。

家を出てバイクに乗車する前の鍵紛失だったならまだしも、もしもどこかへ出かけている途中のことであれば、大切なカバンや財布などもトップケースに閉じ込められてしまっているのでは。

ただ、Vストローム純正の両サイドパニアとトップケース3点はすべて同一の鍵なので、幸い元鍵とスペアキー1本がまだ手元に残っていた。鍵を紛失された方も、そんな一縷(いちる)の望みにかけて連絡をしてくれたのだと思う。

トップケースをお譲りした際の発送は匿名便だったので当然ながらお届け先も分からず。ひとまず、すぐに手元のスペアキー1本をメルカリへ出品してから郵送、無事トップケースを開けることができたとのお報せをいただいた時はホッとひと安心。

ただ、これにより自身の手元に残っている鍵もオリジナルの元鍵1本となってしまい。やはり1本だけでは少し心もとない。いつ自分も鍵を無くしてしまうか分からないのだ。

と言うことで、以前にスペアキーを作成してもらったホームセンターの片隅にある合鍵屋さんへ、鍵を追加作成してもらうため向かったとある週末の話です。

Vストローム純正パニアの鍵、作成してくれるお店がなかなか見つからなかった

Vストローム純正パニアの鍵は、けっこう脆(もろ)い。

脆いというか、そこそこ長さのある鍵、そしてがっちりしたケースのロックを開閉するので力も入りがちになってしまい。きちんと差し込みきってから開閉するクセをつけないと何度か使っているうち簡単に鍵が歪んできてしまう。

そしてこの鍵の形状がけっこう特殊なよう(鍵自体は複雑な作りではないけど適合するベース型が少ないみたい)で、スペアキーを作ってもらうため当時いくつかの合鍵屋を廻ったけれども、その度にお断りされ続けてきたスペアキー作成。2~3軒はめぐった記憶があります。

そんな諦めムードのなか「よし!やってみるよ。たぶんこれで出来るから」と気持ちよく受けていただいたのは、たまたまオカンを買い物に連れて行った件のホームセンターにある合鍵屋さんのおばちゃんだった。

スペアキー出来上がりを受け取る時にも「これでバッチリなはず。でも、帰ってからちゃんと試してみて。それでダメだったらまた持ってきて!」なんていう、とても気持ちの良い言葉をもらい。なんて頼もしいおばちゃんなんだろうって思ったこと、今でも覚えている。

そんなおばちゃんに作ってもらった合鍵、もちろんバッチリ開閉できた。

確かVストロームに乗り始めて1年もしない頃のこと。しかもオカンをホームセンターに連れていくのは年末だけの恒例行事みたいな感じなので、たぶん2019年12月末頃のことだったと思う。

 

そしてトップケースをお譲りした方の鍵紛失という今回のことがあり。あらためておばちゃんを頼りに向かったのが2021年4月。

スペアキーを作ってもらえるお店が限られていることは身をもって知っていたので、鍵を紛失された方にその事情をお伝えすると同じように追加スペアキーも所望され。

自身のぶんを含め、都合4本のスペアキーを作成してもらおうと、おばちゃんがいるホームセンターへ向かったのでした。

ただ、オリジナルの元鍵も歪んでしまっているため、まずは1本だけを作ってもらうことにしたのです。いきなり4本まとめて作ってもらって、もしも開閉できなかったら・・・ということも無きにしも非ず。

ホームセンター開店直後の10時に持っていって、番号札と引き換えにお願いをして。受け取りにいったのは同日の夕方頃だった。

番号札を渡すと「あれ、今日?今日もってきた方!?」と言いながらおろおろするおばちゃんの姿を見た時に、おや?と、ちょっとだけ思った。

 

トイレとかでちょっと席を外す時に、誰かがひょいっと盗んじゃうかもしれないから。

だからその度しまうようにしているんだけど、どこに置いたかしら。なんて、ちょっと慌てる様子だった。

その後、その場ですぐにスペアキーは見つかり無事お持ち帰り。そして帰宅後に試してみたところ、ばっちり開閉できた。さすがおばちゃん。

その翌週、あらためておばちゃんのもとへ行き「無事に開いたとです。これで、追加3本をお願いします」と依頼をして、また夕方に番号札を持っていったところ。

「あ、1番札の方。作ったはいいのだけど、どこへしまったか分からなくなってしまって。ちょっと席を外す時に・・・」と、先週と同じようにおろおろするおばちゃん。

そして、いちおう探してみます、出てきたら連絡するのでお名前と連絡先を・・・とメモ書きをお願いされた。

この時、先週におや?と思ったことが確信となった。

どんな言い方なら失礼にあたらないのか分からないので思ったことそのまま書いてしまうけれども、おばちゃん、痴呆がはじまってきてしまっているのだなって。

 

そんな姿を見ていたら、自身のスペアキーはいずこへ・・・ということの動揺より、1年とちょっと前のときは「よし、やってみるよ!」なんて気持ちよく受けてもらったおばちゃんの元気な姿がまるで嘘のような感じだったことのほうがショックだった。

ここで言いたいのは、呆けちゃっていて大変な思いをしたよ。ということじゃないです。念のため。

わずか1年数か月で、あんなにも明朗活発で頼もしかったおばちゃんが、鍵を受け取りにいったときに困惑の表情を浮かべるような感じになってしまっていたことに対して、何か言いようのないものを抱いたのでした。

1年4か月なんて短いようで、当たり前だけど時は経ち人も変わっていってしまうものなのだろう。どちらも本当にあっという間なんだろう。

極端なことを言えば、昨日と今日とで全く同じ人なんて世のなか誰一人いないのだ。

そして「ホント最近、ごめんなさいね、ごめんなさいね」なんて言いながら、ペコペコしているおばちゃんの姿を見ていて思った。

思ったというか、勝手にそう捉えただけなのだけれども何となく感じた。「自分は呆けはじめているかもしれない」と思いはじめの頃が、当人にとって向き合いたくなくても向き合わなければならない時間の始まりなのかもしれない。

 

話を追加の合鍵作りに戻しますが、そんなことがあり「さて、どうしたものか」と考えながら少しばかりホームセンターをうろうろしていると、おばちゃんから携帯に電話があった。

無事に見つかったとの連絡で、追加作成してもらった合鍵3本も受け取ることができました。

「念のため、全部の鍵で試してみてね」って、最初に作ってもらった時と同じように優しく頼もしいヒトコト。この日は何となく申し訳なさそうに言ってくれたけど、その気遣いのヒトコトがとても嬉しかった。

そして追加で作ってもらった鍵、どの鍵でもパニアケースを開閉することができたよ。おばちゃん。

いくつかのお店では断られたのに、おばちゃんが作ってくれた合鍵はやっぱり完璧だ。

初めてお願いをしたとき「だいじょうぶ、出来ると思う」って言ってくれたおばちゃんは、今も合鍵作りのプロだと思う。

合鍵とホームセンターのおばちゃん、メルカリで譲ったトップケース

家の鍵やバイクの鍵を無くした、なんていうことが起きなければ、今後またおばちゃんのところへ合鍵を作ってもらいに行くようなことないだろう。

そもそもトップケースを譲った方とのやり取りがなければ、こうして再訪することもなかったはずで。

ただ、そんなことがあったが故に気づいたことがあって、何かと何かが繋がっているってきっとこういうことなのかもしれない。

おばちゃんの痴呆がはじまってしまっていることを察しはしたけれど、それに対して自分は何ができる訳でもなく。

同じVスト乗りのかたのトップケースがまた開いてよかったし、自分も新たにスペアキーを追加で作ってもらうことができた。おばちゃんの合鍵作りの腕は今も健在だと知ることが出来た。それが全て、それですべて良しなんだろう。

明日もまた楽しもう。来週末もまた、楽しもう。どんな日も貴重な1日いちにちなのだ。

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コメント

  • けんけんさん、こんばんは。今回の記事は何とも言えない思いで泣けてしまいました。考える脳を超えて腕は覚えている、そういう職人になれるって、重ねてきた年月の証ですものね。「クマバチの奇跡」の話をふと思い出しました。少し違うんですけどね^_^

    by tuna €2021-04-11 11:51 PM

    • 追加でつくってもらった合鍵はバッチリです。でも、そこではないところで辛い思いをし始めているのだとしたらそれはそれで悲しいことです。
      クマバチの奇跡とは、どのような話なのですか?

      by ken_ken €2021-04-12 10:42 PM

  • 「クマバチの身体の大きさからして、あの細く薄い羽では航空力学上飛べるはずがない。彼らは飛べないということを知らないから飛べるんだ。」不可能という限界点を設定しているのは人間で、可能性は未知数にあり、クマバチが飛べる奇跡はその象徴という話です(現在は航空力学的に解明されて、航空技術に活かす研究が進んでいるとのこと)。
    記事とは少しズレている話ではありますが、脳が衰えていくとしても職人腕は確かなおばちゃんの合鍵、本人が思うよりもまだ能力の奇跡を秘めているのかもな、なんて勝手に思いを巡らせていたということです。失礼しました。

    by tuna €2021-04-13 12:00 AM

    • tunaさん
      クマバチにはそんな言い伝えというか話があったのですね。
      次第に衰えても、シッカリとした鍵を作ってくれるおばちゃんの腕は確かでした。
      そして、トップケースをお譲りした方からの相談がなければ何も気づくことはなかったのも何だか不思議です。

      by ken_ken €2021-04-15 10:20 PM

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けんけん

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千葉県は、ふなっしーと同じ市に住んでいます。鉄馬も好きだけど、本当の馬も好き。一口馬主やっていらっしゃるライダーさんいらっしゃいましたら、よろしくお願いします。「FTR223と行く」ブログを書き始めたら、なおさらバイクへの愛着が増してしまったので、そんな愛情をココにどんどん残していきます。どうぞ宜しくお願いします。