2018/02/15
2019年の東北巡りツーリングも4日め、そろそろ旅の折り返し地点ともなる令和元年5月1日は青森市内にて。
相も変わらず、6時過ぎに起床。(日頃から、こんな感じでシャキっと起きることが出来ないものだろうか・・・)
青森センターホテルにて起床後、朝食バイキングを頂いてからの朝風呂です。
宿泊ホテルに朝食バイキングが付いていると、いつも楽しみにしてしまうのがスクランブルエッグとベーコンなのは自分だけでしょうか。これにカリッカリのトーストがあれば、なお更のこと!と思いきや、スクランブルエッグとベーコンさえあれば、あとは白米と納豆、お新香という和食メインが好きだったりします。
出張でも何でも、ホテルの朝食に食べるスクランブルエッグとベーコンって、何であんなにも美味しく感じるのでしょう。
ねぶたミュージアムで、少しでも祭の熱気を感じたい
青森センターホテルをチェックアウト後、バイクはそのまま暫くのあいだ停めさせてもらう許可を頂き、徒歩で「ねぶたの家 ワ・ラッセ」へと向かいます。
「ワ・ラッセ」とは、青森市の文化観光交流施設のひとつで、ねぶた関連の博物館。 過去の祭で実際に使われた、いくつものねぶたが飾られているミュージアムのような場所です。
ねぶた祭自体は毎年8月に開催されるものなので、当然、今回の東北巡りで実際のお祭りを見ることはできません。それでも、少しだけでも「ねぶた祭」の熱気を感じてみたく「ワ・ラッセ」へ行ってみたのでした。
とても大きなホールに、実際のお祭りで使われた「ねぶた」が、そのまま展示されています。
こんなに迫力あるものなんだ!と思ったと同時に、これが実際に担がれながら街の中を進んでいくお祭りって、ほんとうにものスゴイ熱気にあふれたものなのだろうとも思った。
そんな熱気を、ちゃんと表しているヒトコトも飾られていました。
やたら跳ね、やたらたたき、やたら吹く所にネ、ネブタがあるんだよ。
もう何もかも忘れて、本当のネ、北のネ、火祭りをネ、湧かさなくっちゃだめなんですよ。
棟方志功
ねぶた祭には、東北の短い夏をめいっぱい謳歌するかのような熱気も込められているという話を聞いたことがあるけれど、この一文にその全てが込められているかのよう。
青森に行って、ねぶたミュージアムなんてベタ過ぎじゃないか?と思っている方も、ぜひ一度行かれてみては如何でしょう。
いつか実際の「ねぶた祭」を目の当たりにし、その熱気に自分も酔いしれてみたいと思うようになりました。
塩谷魚店さんで、実家へのお土産をお願いする。の巻
ねぶたミュージアムを楽しんだ後はホテルに戻り、FTRで再出発。
ホテルに戻るまでの歩き途中、青森から実家へのお土産配送など出来ないだろうか・・・と検索していて、たまたま知ったのが「塩谷魚店」さん。
「青森市・魚・通販」のような検索結果のリンクにアクセスしてみると「現在、ネット注文は受け付けておりません。」の文字が。
まぁそれでも、行ってみたら何とかなるだろう。という軽い気持ちで向かうことに。※青森駅中心地から10分ほどの距離です
実店舗に行ってみたら、ちゃんと営業してる!
でも皆さん、いけすに魚を入れたり出したり、とってもお忙しそうです・・・。
なんだか話しかけてはイケない雰囲気が。海の漢(オトコ)というと何処か荒々しいイメージがあり、おいそれと話しかけてはいけないような感じで、ちょっとだけビビってしまったのでした。
「どうしたものか」と、しばらく店先で様子を見ていると、店外で談笑をされていた従業員の方と目が合う。
このタイミングを逃すワケにはいかない!
そう。大げさだけれども、人生は逃してはならないワンチャンスの連続なのだ!笑
そんな勇気(笑)を振り絞って「配送注文をお願いしたのですが。」とお尋ねしたところ、無事に担当の方を呼んでもらえることになったのでした。
ちなみに、担当のモノ呼んできますからって仰っていましたが、どうやら対応して頂いたのは塩谷魚店の御主人さん(と、奥さまと思われる方)のようで。とっても気さくで親切な対応をして頂くことができました。
実家へ配送したいことをお伝えし、いちばん困ったのが「何を送ります?」って聞かれたこと。
どんな海産物を送るか、何も考えていなかった。
えぇい、魚のことは魚屋だ!ということで、「配送料込みで6千円くらい、ホタテとしじみ、後は刺身で食べられるような魚お願いします。」という、大まかな要望だけお伝えしました。
そして後日、実家から送られてきた鮮魚セットの写真がこちらです。
- ゾイ
- 帆立
- とげくりカニ
- シジミ
自分はこの写真しか見ていませんが、どれも美味しかった。という感想だけは後から教えてもらう。
特に「ゾイ」という魚の刺身が美味しかったらしく、千葉帰宅がもう少し早ければ、自分もひと切れだけでも食べてみたかった・・・。
しかしこのゾイ、ウロコや体も堅いらしく、母は「ゾイは結構、おろすのが大変だったぞい。」なんて言ったとか、言わなかったとか。
配送して頂く内容についてやり取りさせて頂いている時から「良いお店で良かった」と感じる、オーナーご夫妻のお人柄。実際に購入する商品が目の前にないにも関わらず「間違いない。ぜったい良い品を実家に送ってくれるはず。」と、直観的に思えるのが不思議でした。
店をあとにする際、御主人さまの「必ず立派なもの、送らせて頂きますから。」の、お一言。
本当、この魚屋さんで良かったな。って、何だかFTRに乗り出す肩の力も随分と楽になったものでした。
近々、ネットからもオーダーしてみようと思っています。
城ヶ倉大橋と、酸ヶ湯温泉
塩谷魚店さんをあとにして向かったのは、八甲田山方面。国道103号線を南下して行くと、次第に標高も高くなっていく。
城ヶ倉大橋に着く頃には雨模様に。そして何より、ちょっとだけ寒い。東北地方を巡ってみて思ったことのひとつが、山々が多いためか、少し走っただけでも標高差から感じる気温の変化でした。
ということで、酸ヶ湯温泉で温まっていくことに。
今では珍しい、混浴風呂として開放している温泉です。※男性、女性個別の湯もアリ
いざ混浴風呂へ!と行ってみたけれど、入浴者はすべて男性のみ約50名ほど・・・笑
混浴風呂といっても、女性の方のための仕切りもちゃんと設けられています。
あとから女性客がいらっしゃいましたが、その仕切り1枚を隔てた向こうから若そうな女性の声が「きゃっきゃ、きゃっきゃ」と聴こえてくるたび、聞き耳を立ててしまう自分。仕切り1枚の向こう側にある世界に、全神経を集中してしまうのです。
無心で浸かっている感じに見えるこの方も、あの方も。きっと今ここ、酸ヶ湯温泉に浸かっている男性客すべての意識は、仕切りの向こう側を向いているに違いない。そんなことを想像したら「おぉ同志たちよ!」と、湯に浸かっている男性客みなさんが、勝手に愛おしくなってくる不思議。
まだまだ女性の入浴客が来るかもしれない・・・いや、まだだ、もう少し待て。
なんて思っていたせいで、普段よりも長風呂になってしまう。酸ヶ湯が湯治として良いお湯と言われる由縁には、(自分のような)長風呂によるところも大きいのではないだろうか笑
長湯ですっかりのぼせてしまった後は、外の売店で売られている「生姜味噌おでん」を頂きます。
誰かの影響を受けたのか、串ものと風景とを一緒に撮って残しておく、というのがマイブームになりつつある最近です。
酸ヶ湯のあとは、さらに南下をして十和田湖を目指しました。
そして十和田湖でも同じことをしている・・・。
この日は総じて、あまり天気がよくありませんでした。
翌日は秋田県鹿角市から、いっきに仙台を目指す予定なので、十和田湖のあとはそのまま本日のお宿に向かうことに。
道中、国道66号沿いにある看板で気づいた「大湯環状列石万座遺跡」に立ち寄ります。
エンジンを停めたら聞こえてくるのはウグイスの鳴き声だけ。そんな、とっても静かな場所。
縄文時代の遺跡で、写真のように円形状に組まれた場所はその昔、集落の中心で「長」と呼ばれる人を中心に、祭りごとや集会が行われていたのではないか。とされているものです。
遺跡だけでなく、併設されている大湯ストーンサークル館という立派な施設では、縄文時代の遺跡などを観ることができる。
その中でも「なるほど!こういう風に飾りつけをしていたんだ」と、興味を抱いたのが土器に文様をつけるための道具。
紐の結び方をちょっと変えただけで、こんなにも色々な模様を付けることができると分かり、なぜか、この模様付けの資料がとっても気になってしまって、しばらく眺めていました。
気ままなぶらり旅で好きなことのひとつが、こうして、たまたま見つけた遺跡に寄ってみて「当時の暮らしに思いを馳せてみる」ことです。
例えば網走監獄であったり、佐倉市の武家屋敷だったりも。
そこでは当時、どんな生活が営まれていたのか。とか、そこで暮らしている人たちは日々、何を想って生きていたのだろう、とか。そんなことをそっと想像するとき、何だか想像力さえも若返りするような感覚が好きです。
本日のお宿「お宿・ちとせ」に到着
環状列石を見たあとは20分ほど走り、この日のお宿「ちとせ」に到着。
鹿角花輪という駅ロータリの目の前、部屋の窓から駅舎も見えるような場所に、この日のお宿はありました。
部屋は6畳、こんな感じの戸棚も備わっていたので、ついついヘルメットとタンクバッグを収納。うん、ぴったりで、まるで自宅のような気すらしてきます笑
「お宿ちとせ」さんは素泊まりも可能だけれども。電話予約の際に「夕食、昼食は如何なさいますか?」って聞かれたときに、とっても優しい女将さんの声に、ついつい朝夕どちらもお願いしてしまったのでした。
晩御飯も美味しく頂き、お風呂にも2度浸かり。明日に備え早めの就寝。
2019年5月1日のルート
走行距離127kmと、東北巡りツーリングの中で最も短い走行距離の1日。
東北巡りを終えたあとの出勤後、東北いろいろ行ってきた、という話を職場の方していたら、なんと奥さまご実家が、お宿ちとせのある鹿角市が地元と聞いて驚いた。同時に、十和田湖に行ったのに「おいらせ渓流」を見に行かない人は初めてだ。とも言われてしまう・・・。
それでも、お宿ちとせから見えた駅前ロータリーの写真や、少し歩くと生協(A-coop)があったり云々~という、何でもない話でも少しだけ盛り上がれるのは、やはり旅ならではのこと。
旅行に出かけるときは「今度ここ行ってきます!オススメあったら、ぜひ教えてください。」って、もっとオープンに、もっと声高らかに発した方が良いのだろうか。
少なくとも「どなたがドコ出身なのか」を教えておいて頂くと、いざという時にきっと良い情報を教えてもらえるに違いないとは思いました。