2018/02/15
先週末の日曜は神宮球場へヤクルト対巨人の試合を観に行ってきた。
ヤクルト優勝に向け大事な1戦。前夜は同じ対戦相手の巨人に1対11と大敗を喫してしまい、今夜はそんな嫌なムードを払しょくしてくれるだろうか。
いや、ぜったい良いゲームを観ることができるはず。そんなわくわくと共に神宮球場へ。
結果は原樹里投手が5回まで無失点の投球、4回2アウト満塁でまわってきた打席では3得点をあげるツーベースヒットと、投打に大活躍した結果6対4で勝利。
今年はじめて訪れた神宮球場で、とても良い試合を観ることができた。
観ることができた、と言っても自ら行こうと思って行った試合ではなかったので、誘ってくれた従姉夫婦と甥っ子に感謝。
従姉夫婦は家族4人そろって、皆ヤクルトファンで。たまに「もうひとつ席取れたから」とか「上の子が行けなくなったから」と、観戦に誘ってもらっては喜んで向かうという関係がかれこれ10年ほど前から続いている。1年のうち、1度あるかないかくらいのペースで。
そして驚くことに、一緒に神宮観戦をした際は未だヤクルト負けなし。何度いっしょに観戦させてもらったのか具体的な数字こそ覚えていないけれど、少なくとも6回は越えていると思う。
従姉夫婦はシーズン中に幾度か神宮へ足を運ぶので、良い結果の日もあれば悪い結果の日もあるのは当然だろう。今シーズンに優勝を決めたヤクルトの勝率が5割8分ほどなので、単純な確率論だと、10回応援に行ったとしたら6回は勝ち試合を観ることができて、4回は負け試合を目の当たりにする計算になる。
でも、一緒に観戦した時は勝率10割なんだよね。というのが、ここ数年お約束のように交わす言葉になっている。
ただ、最近になって自分はその勝率10割がプレッシャーになっている。自身がマウンドに立っている訳でもないのに、だ。
いっしょになって観戦した夜は、この先いつまでも勝って喜べる日になったらいいのにな。と思う反面、今日は残念だったね。という日がいつかは来てしまうだろうことを覚悟している。そんな勝率10割伝説、どこまで続くだろう。
ヤクルトスワローズ、リーグ優勝である
そんな好ゲームを観ることができた一夜から、そのまま良い流れで2021年10月26日、ヤクルトの優勝が決まった。
今シーズンを振り返ると打者では塩見や山田哲人、村上、合流が遅れたサンタナ、オスナ。その間に入った中村も好成績で。
投げては奥川が一流の片鱗ぶりを見せてくれたり、中継ぎ陣では清水や星、今野、サイスニードや田口の功績が大きい。投手陣が不安のタネだったのは一体なんだったのだろう?というくらい、充実した活躍ぶり。
その昔、ノムさんが監督時代に言っていた。
1年目に種をまき、2年目に水をやり。3年目に花を咲かせる。
監督業というのはそれくらい長い目で取り組むものだということを表現した、とても印象深い言葉だ。ふと今になってこの言葉を思い出し、2019年、2020年と2年続けてリーグ最下位だったヤクルトにも果たしてそれをそのまま当てはめることはできるのだろうか。今年の躍進ぶりは一体どこで育まれていたものだろう。そんな疑問もあるけれど、2年連続最下位という見た目の結果だけでなく、きっとどこかで種はまかれ水がまかれていたのだろう。
そして、ノムさんで思い出した。
コロナ禍で何となく日本中、世界中が混沌としていた2020年2月に自宅の浴室で急逝してしまったノムさん。志村けんのニュースと同じくらい衝撃を受けた。
この年こそ、野村克也氏に捧げるリーグ優勝を。2020年でFA権を獲得してしまう山田哲人も、おそらくヤクルトを去ってしまうはず。ならばなおさら、村上と山田が揃っている今しかないと勝手に思っていた。願っていた。
が、結果を見れば2019年と同様に最下位であった。
それでも山田哲人はヤクルト残留を決めた。7年総額40億円という大型契約に度肝を抜かれたけど、プライベートでも仲の良い坂本がいる巨人に行ってしまうのだろうと思っていたから、この残留は心底うれしかった。
今にして思えば、この残留自体が何かチームに新しい力をもたらすようなものだった気がしてならない。
もちろん、2018年からヤクルトに復帰したベテラン、青木宣親の存在もチームにとって大きかっただろう。本人自身も「唯一やり残したことはヤクルトのユニフォームで優勝」と公言していたようで、この優勝がとてつもない喜びであろうことは想像に難くない。
2015年に首位打者を獲得した川端慎吾も、その後の椎間板ヘルニア手術などで思うようなプレーができない年もあったが「代打の神様」として復活した。
ノムさん、観てますか。あなたが教え子だった高津が監督となり、ヤクルト優勝しましたよ。
選手でも監督でも何でもない、ただのいちファンだけれど。ノムさん、ヤクルトやりましたよ。って伝えたくなっちゃう。
ヤクルトスワローズという球団の雰囲気が、好き
スワローズの何が好きか?と考えると、いの一番に出てくるのはその「雰囲気」である。
自由な雰囲気、お堅い雰囲気、チームによって色々とカラー(違い)はあるけれど、ヤクルトには「自由のなかにもまとまりがあって、選手や監督、コーチそれぞれの距離が程よく一体感がある感じ」と言いう印象で。
たとえば巨人から移籍してきた田口投手を見て「あれ?こんなに茶目っ気たっぷりな人なんだ」と、きっと多くの人が思ったはず。こんな良い笑顔するんだ!と思ってしまったもの。
かと思えば、別の球団からまた別の球団へ移籍した選手の表情を見ると、どことなく暗い顔つきになっちゃったよなぁなんて思ってしまう時もある。伝統あるチームには、そのチームなりの風格のようなものがあるはずで。そういうものに呑み込まれてしまったのだろうと勝手に察している。
そんな雰囲気の大切さって、なにもプロ野球独特のものでもなく仕事でも会社でも、何にだって当てはまるものだろう。
たまたま優勝を決めたからそう思うだけだろう?と言われてしまったらそれまでだけど、弱い時も強い時も、ほど良い自由と明るさの中にも団結力があるヤクルトの雰囲気が昔から好きだ。
ヤクルト優勝にまつわる記事づくしのサンスポのなかに、とても良い記事があった。
高津監督は自身が現役時代、野村元監督から勝利後にかけられた「サンキュー」の一言が今でも忘れられないそうだ。ノムさんのことだから、きっとアクセントは「サンキュゥ~⤴」だったに違いない。サンキューなんて誰にでも言えそうだけど、それでもポっと出たように自然と言えない時が往々にしてあります。
そんなノムさんの「サンキュゥ~⤴」にも、きっとその一言以上に色々なものが詰まっていただろうし、高津自身もそれらをまるっと全部受け止めたからこそ、今でも忘れられない言葉なのだろう。自分も、もっと「ありがとう」と「ごめん」はちゃんと言おう・・・
マジック3としたロッテは、残念ながらパリーグ優勝を逃してしまった。が、しかし。ロッテには下剋上という、リーグ3位からCSシリーズを突破した過去がある。
ヤクルトもこのまま日本シリーズ進出となるかは未知だけど、ヤクルト対ロッテの日本シリーズとなる可能性を楽しみにしている。
ひとまず今は、ヤクルトファンの皆さま、本当におめでとうございます。である。
そしてやっぱり、ノムさん(優勝が決まったのは横浜の夜だったけど)神宮外苑の空から観ていましたか。ヤクルトやりましたよ。