2018/02/15
わずか15分ばかりの試乗では物足りず。ハスクバーナ「スヴァルトピレン401」をもっと知ってみたくなってしまい、試乗から1週間後、レンタル819のサービスを利用して1日レンタルしてみた話になります。
ちなみに、レンタル819にて「関東圏」「スヴァルトピレン401」で検索すると、利用可能なのはわずか1店舗のみ。偶然にも先週末に試乗をさせて頂いた「トライアンフ葛飾 トーテム・ポール」さんだったのである。
先週、今週末と立て続けにお伺いすることに若干のためらいもあったのですが。思う存分に乗ってみたい欲のほうが上回ってしまった(笑
たまにはレンタルバイクで楽しむのも、アリだと思う
24時間だけの付き合いで、どこまで、どんな風に乗ろうか?と思っていたけれど、本当に思い付きでのコトだったので具体的なルートも決められないまま、レンタル当日を迎える。
それでも漠然と考えていたのは、以下3つのルート案。
- 箱根、伊豆への弾丸ツーリング
- 行き慣れた千葉県、館山へ向かう
- 群馬は四万温泉に行ってみる
お盆休みに入る時期なので、事前に宿泊先を調べても当然、(直前だったこともあり)何処も空いておらず。レンタルバイク利用が突発的でなかったら、本当は四万温泉「積善館」に久しぶりに泊まってもみたかったのですが。
とりあえず「向かってみたら何とかなるだろう」という軽い気持ちで、「箱根、伊豆への弾丸ツーリング」を選択しました。熱海、伊東付近で素泊まりして伊豆半島1周も考えていたのだけれど、8月のお盆時期は何処も宿が見つからず。何となく中途半端なスヴァルトピレン・伊豆弾丸ツーリングになってしまった。
※以下、スヴァルトピレンを24時間レンタル試乗した感想になりますが、日頃は223ccのFTRに乗っている自身のインプレです。場合によっては「ナニを今さら当たり前のことを言っているんだ」的な感想もあるかと思います。リッターバイクにも精通している方がスヴァルトピレンに試乗するのと、400ccですらマトモに乗ったことがない人間が初めてスヴァルトピレンに乗るのとでは当然、その印象が異なる点をご承知頂けたらと思います。
高速道でも、とっても安定している走り
日頃はFTR(車両重量:128kg)なので、どうしても高速道は敬遠してしまいがちなのだけれども。対してスヴァルトピレンのスペックを見ても車両重量は大差ない150kg。わずか22kgしか違わないのであれば、きっと高速走行では同じく風のあおりを受けたりもして不安定になる時もあるのではないだろうか?と思っていたのですが。
スヴァルトピレンのその走りは、まったく違うもので驚きました。
排気量、たった152cc違いなのにと言うべきなのか、152ccもの差があるのだからと表現した方がいいのかは分からないけれど、何キロ出しても車体が安定しているんです。
70km付近で安定してくるのは今のバイクも同じなのだけれど、そこから80、90と上げていっても決してぐらつくことなく力強く真っすぐに進んで行ってくれる。
また、前方が多少詰まっていても扱いが苦にならない、かと思えば、ふいに前方の車がいなくなり4、50m程のスペースができた際には、気の向くままスロットルを開けていくと本当にぐいぐい進んでくれる。マイペースでのんびり走るもよし、少しパワフルにいってみたいような時でも即座に反応してくれるのだ。
箱根ターンパイクの結構な高低差の坂道も、ぐいぐいと上ってくれるうえ、右に左に車体を傾けても安定感が損なわれることがないので首都高でも峠でも本当に安心して進んでいくことができる。
「操っていて楽しい」というのが、いちばん大きな印象。スヴァルトピレンは、レンタルバイクとはいえ久しぶりにそういう感覚を思い起こさせてくれたバイクです。
各ギアでの許容範囲が広い
試乗時にも書いたのですが、各ギアポジションの許容範囲が広いと感じるのは、日ごろ250ccクラスのバイクに乗っているからかもしれません。
ただ、無理させてしまっている感がエンジン音や車体の振動から察するようなシーンがほとんどありませんでした。もちろん低速ギアで無茶に引っ張るような走り方はしませんでしたが、特に4速、5速あたりは本当に許容範囲が広いと感じました。
少しばかり、気になった点もあげておきます
丸型の大ぶりなミラーだけれど、特に右後方の車体寄りに対する視認性はあまり良くないように感じました。もう少しだけバーエンドまでと同じくらいの長さがあるミラーに付け替えても良さそうな印象です。
また、サイドスタンドを上げた状態だと、下の画像のようにスタンド自体がステップとシフトペダルの下面にほぼ隠れてしまうので、初めのうちはサイドスタンドを降ろす際に若干の戸惑いはあるかもしれません。※おそらくはどちらも慣れの問題で、試乗していて常に気になったという程のものではありません。
純正マフラーで充分な気がする
巡行時は本当に静かで紳士的なサウンドだけれど、少しだけ思いきり加速していこうとスロットルを開けると心地よい排気音も聞かせてくれる純正マフラーです。低速時にトルクを上げていくと、「ダダダダダっ」という小刻みな重低音が、どこかスクランブラーの印象も感じさせてくれる。ある程度の高速域では、さらにスロットルを開けた際、それとはまた一味違ったサウンドを聞かせてくれます。
スヴァルトピレンもビットピレンも、純正でありながらデザインもサウンド、どちらも完成されているマフラーの印象を受けます。個人的な好みですが、ビットピレンのマフラーはより素敵だと思う。
ハスクバーナ公式サイト画像より引用
下は、スヴァルトピレンのマフラーです。マフラーに施されている「HusqVarne」のロゴは熱による影響なのか、若干はがれ落ちていた。
もっちりシートは、かなり座り心地が良い
シートの心地良いその座り心地については、何と表現したらいよいだろう。(もちろん)ウェッティーではないのだけれど、とてもしっとりとしていて吸着力のあるシート素材です。そのため、高速走行でもワインディング時でも、でん部の辺りが少しづつずれていってしまったりすることがなく、そのため何度も姿勢を正すような動作をする必要もないので、本当に長時間走り続けていても負担の少ないシート。
100均商品で例えるのもナンですが、車のダッシュボードやマット下に用いるための「すべり止めシート」として売られている、アノ商品素材に近い感じです。それくらいに下半身をしっかりとホールドしてくれます。
メーターやハンドル周りの細かな作り
丸型のシンプルなメーターだけれども、必要な情報をすべて得ることが出来るようになっている。時計やスピードメーターにタコメーター、残燃料と水温系、また、残燃料からの走行可能距離も概算表示してくれる。
メーターがデジタル化され始めた頃に動画では知っていたギミック。キーを廻した時に、タコメーターが左から右へ一度行ききっては戻る、今でこそ当たり前かもしれない、この動き。日頃はアナログメーターなので、初めてこのギミックを観た際は否が応にも「走り始める前のテンション」が、くっと少しだけ上がってくるのを感じてしまった。
また、ハンドル周りの各スイッチ。暗がりのなかスマホによる撮影なので、やや画像が荒くなってしまっているのだけれど、スイッチ類すべてがLED点灯し、その箇所を教えてくれているようになっている。
少し乗り慣れてしまえば恐らく目視せずともスイッチ類の操作は可能になるはずなので、本当に必要な機能かどうか?を考えると、決して必須ではないと思ってしまうのだけれども。ただ、こういう小さなこだわりも気に入ってしまった。
個人的に惹かれてしまったのは、このアングル
少し跳ね上がったような短めのリア、そしてリア下は、配線類など一切余計なものが見えないよう厚めのカバーで覆われている。また、真横から見た時にはそれほど主張を感じないタンクの特徴的な凹凸もリアから見るとやはり個性を放っている。
ちなみに、ちょうど写真にも写っている純正タイヤは見た目はある程度のオフもこなせるよう設計されたと思われるブロックパターンですが、低速~高速問わず、タイヤからの過剰な振動は一切感じませんでした。
スヴァルトピレンの感想まとめ
15分の試乗プラス、約300kmの弾丸ツーリングを楽しませてもらったスヴァルトピレン。いちばん印象的なのは、どんな速度域でも機敏に操ることができる点でしょうか。「操ることができる」と言うよりも「即座に反応してくれる」ような感じです。高速域でも車体バランスがとても安定していることから70kmや80kmでも、スムーズに右に左に動いてくれます。
伊東からの帰宅途中、東名から首都高に入る際の渋滞時、2、30kmで走行し続けなければならなかった際は、さすがに少しだけエンジンは窮屈そうしたが。一般道、高速道を問わずスムーズに走ることが出来る道では、本当に生き生きとして何処までも延びてくれるエンジンです。
今すぐスヴァルトピレンに乗り換える!と(そこまで強く)思っていないのですが、400ccでもひらひらと操れることが出来る上に高速でも安定しているのであれば・・・何だかホンダのCB250Rも似たような感覚なのだろうかと気になってきてしまっている次第です。