2018/02/15
「いいじゃないか。村上宗隆の初打席本塁打を観ることが出来たんだから、さ。」
前夜の広島カープ戦、ヤクルトが2対4で負けてしまった神宮観戦後、残念会と称した同僚との2次会はフォンダ・デ・ラ・マドゥルガーダにてソルを飲みつつ終電間際まで及び、確かそんなことを話していたな・・・という断片的な会話の記憶と共に目覚める3連休最終日。
その一言は同僚に向けて発した言葉でありながら、自分に向けて放った精一杯の負け惜しみでもあったのだろう。朝の陽の光で目覚め、布団の上でぼんやりと昨晩の会話を思い出し始める。
休日は意図的に目覚ましをセットせず、部屋に差し込んでくる陽射しを頼りに出来る限り自然に任せて目覚めるようにしている。それでも8時頃には目が覚めてしまうのはそれだけ歳をとった証拠だろうか。正午まで死んだように爆睡していた休日は、果たしていつ頃が最後だったのかさえ思い出すことができない。
それにしても、今日の陽射しは夏日のような強さじゃないか?もう9月も中旬だというのに。
布団の上でうっすらと開けた目を窓の方に向け、ぼんやりとそんなことを思いながら体を起こす。布団から抜け出し、そのまま網戸を開けてベランダへと向かう。この間の台風のせいで裏かえしのままになっているサンダルを不器用に足でひっくり返しながら外の天気を確かめてみる。
手を伸ばして日差しの具合を確認してみると、確かにまるで夏日のような陽の強さだ。
「今日が、今年最期の夏日になるだろう。」直感的にそう感じた時、同時に浮かび上がってきた想いが「三浦へ墓参りに行くには最高の日じゃないか。」ということだった。
そこからバイクのエンジンを始動させるまでは1時間もなかった。必要最低限の荷物をお気に入りのボディバッグに詰め込み、首都高から横横道経由で三浦半島を目指したのだ。
と、ちょっと小説風に書き出してみました。最後までこの調子で書けたら楽しそうだけど。そんなに面白い話でもないし気力や器量もないので、ここからはいつものツーリング日誌の調子に戻ります。
三浦半島への墓参りツーリング(と、まぐろ丼)
三浦霊園には自身にとって祖父母にあたる父方の両親、そして自身の姉の遺骨が埋葬されている。姉と言っても産まれてすぐに亡くなってしまったので、その後から生まれた自身は面識すらないのだが。
ただ、この面識のない姉について忘れられない出来事が過去にひとつだけある。
今から10年ほど前、当時住んでいた賃貸物件は犬猫を飼う人をメインに作られたマンションで。エントランス横にドッグランやトリミングルームもあるような至れり尽くせりの設備だったのだ。
そんなマンションであれば犬・猫好きな人間同士のコミュニケーションが自然と出来ていき、これもまた必然的に住人同士は仲良くなっていくもの。そんな当時、仲良くさせて頂いた一組のご夫婦の奥さんがある日「わたし霊感があるんだよね。っていうか、そういうものが自然に見えちゃうんだ。」と言う。
そんなことを聞いてしまったら、もう興味津々「それじゃあ、自分を見てみてよ?」と尋ねずにはいられない。その時は興味半分で尋ねた返したが、恐らくこの先もずっと忘れることのない一言となるとは思わずに。
このやり取りの時、彼女は対峙している自分自身を直視するというよりは何処かぼんやりと自分全体を眺めていた。目の前の人物を見ていると言うよりも、一瞬もの思いにふけっているような顔つきだった。
その時間は10秒もなかったと思う、その後に彼女はこう言った。
「うーん、、、近い人、女性かな?身近な人で、女の人が不幸になっているでしょう?その人が、今もあなたのことを見守ってくれているよ。今ここでも。だから同じように、もっと大切にした方が良いと思う。」
いったい何のことについて言っているのか、この言葉を言われた時は全く理解が出来なかった。ただ、その数秒後「いったい、何について教えてくれたのか」その意味が、不意にすとんと腑に落ちてきた時は鳥肌と同時に、図らずも涙が出てきてしまったのだった。
三浦半島へのお墓参りを済ませ、今年も穏やかに年末へと向かう
余談ではあるけれど、三浦半島の高台に位置する「三浦霊園」はHIDEのお墓があることで知られている霊園です。
そんな三浦霊園のお墓参りを済ませた後は、まだまだ時間もあったので「城ヶ島」へと足をのばしてみることにした。城ヶ島灯台付近にバイクを停め、灯台を目指して歩いていくと途中には、どこか懐かしい気持ちになる商店街がある。
この道をもう少し先へ進むと、城ヶ島内でいちばん行列ができてる「中村屋」というまぐろ丼のお店が。いくら人気がある言うても、行列っぷりが他のお店とまったく違う。そんなにも使っている魚が違うのだろうか?それとも、もしかしたらメディアで取り上げられた等の効果なのだろうか。不思議なものである。
そんな中村屋の脇にある階段を昇っていけば、城ヶ島海岸を一望できる灯台。
この日は波浪注意報も出ている風の強い日であったためだろうか、上の写真のように大きな波しぶきが上がっていた。すぐ近くに人影も見える。
危なそうだけど、水しぶき浴びてみたい!と思い、この写真を撮った後すぐ近くまで行ったけれど、残念ながら水しぶきタイムは終わってしまっていた。
まるかサービス・ステーションにて、まぐろ三色丼
城ヶ島を散策した後の昼食は、まるかサービス・ステーションでの三色丼。漬け物と味噌汁、まぐろのほぐし身小鉢も付いて1,350円。
ここの受付のおばちゃん、とても気さくな人で常連さんと思われるお客とのやり取りを聞いているだけでも楽しい。楽しいというよりも頼もしい。
ある年配の女性客が会計時に「私も、いずれは三浦で余生を過ごしたいと思っているの」というようなことを話していたが、おばちゃんは間髪入れず「思ったことは今じゃないと。今じゃないと意味ないんだから。この先とか思ってちゃダメ。」と返していた。
こんな気風の良いおばちゃんでも、時には寝る前にネガティブ思考になってしまうことがあるのだろうか?そんな野暮な疑問は、まぐろと一緒にお腹の中へしまったのである。
食後のお会計時には、なぜかサービスで「たこ煎餅」を頂く。
やはり千葉から三浦半島、1日で廻るためには移動し続けなければならず。もう少しのんびりと巡ってみたいので、いずれは何処かで1泊(もう少しキャンプ場の選択肢があると嬉しかったりも。)してみたい。
三浦霊園の地図
住所:〒238-0103 神奈川県三浦市南下浦町金田
まるかサービス・ステーションの地図
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ケ島658−48