FTR223と行く

FTR223からVスト250乗りになりました。明日はバイクと、どこ行こう。バイクでトコトコ、どこ行こう。

柳家小三治さんの「バ・イ・ク」を読み終えて

time 2021/02/04

柳家小三治さんの「バ・イ・ク」を読み終えて

どなたかがツイッターにて、この本を紹介されているのをお見かけし。

ちょっと読んでみたいなぁと思い、Amazonでポチりと注文しました。

結果、自宅に到着してからの3日間でイッキ読みでした。

本の内容はというと、著者が40を過ぎたころバイクに乗り始めることになったキッカケ話に始まり、そのあとは主に北海道ツーリングの思い出話という構成です。

馴染みというか、自身も思い出ある北海道の地名や道がいくつも出てくることから親近感もあって、さくさく読み進めることができました。

柳家小三治(こさんじ)氏とは

そもそも、この本を読むまで「柳家小三治」氏の名すら知りませんでした・・・

ウィキペディアで知ったことを書いてしまうのですが、1939年生まれの落語家。2014年に落語界として初めて人間国宝となった方。

1939年生まれというと、これを書いている2021年現時点で齢82となりましょうか。

柳家小三治ご自身がバイクと出会ったのが確か41歳のときと書いてあったので、この本は今から40年ほどまえのことを記したものになります。

落語界のご友人、ご知人たちと「転倒蟲(てんとうむし)」という名のツーリンググループを結成し、それから10年ものあいだ、毎年かならず1度の北海道ツーリングを楽しんだ、と書かれていました。10年連続北海道!すごい。

特に面白いなぁと感銘を受けたのが、北海道の土地、土地で落語会の公演をやりながらバイクで巡っていたという話。

落語を通して、巡る土地、土地で暮らす方たちとの交流ができ、なおかつ落語でみんなを笑顔にさせちゃう。

こんな幸せな北海道ツーリング、他にあるだろうか。やろうと思って誰もができることではないでしょう。

 

北海道に到着する前「移動中のフェリー内で公演会をやるかわり、船舶代をタダにしてくれないか」という商談をフェリー会社に持ちかけ、それが現実のものになったようで・・・そんなエピソード話も面白かった。

たまたまそのフェリーに乗り合わせることになったトラックの運転手の方たち、大喜びだったのではないでしょうか。

大洗から苫小牧へと向かう「さんふらわぁ号」が、毎日のように本州と北海道を往来している主な目的は海運輸送です。

なので、乗船手続きもトラックなどがいちばん最初だし、船内にある共同浴場もそういった(仕事のために乗ってきている)方たち最優先の時間が設けられていたりもして。

そもそも、観光など一般利用が目的の乗船予約は、ビジネスのために利用される枠に空ができていたら可、みたいなこともあります。

そして、運送(仕事)のために利用している方たちの就寝エリアも一般利用とは別なので、顔を合わせることも滅多にありません。

そのような、仕事のため当たり前のようにフェリーに乗り合わせた方々が「本日は特別に、落語会を船内〇階どこどこで行います」なんてコトになったら・・・

当時のことを知る由はないけれど、きっと船内はものすごくワクワク、大盛り上がりではなかっただろうか。

フェリー会社も当然、それを売りに宣伝などしただろうし、落語好きな方は、落語を聞きたいがために北海道行きのフェリーチケットを買ったりもしたのではないでしょうか。

落語を聞く楽しさというものをまだよく知らないけれど、ある人達にとってはものすごいサプライズだったのだろうなぁ。

噺家が書いたバイクの本で、落語に興味を持ちはじめる・・・

そんなことを想像していたら、これまで落語のこと何も知らないのに、バイク話を通して柳家小三治氏・・いや、もっと言うと落語が急に気になってきてしまったのです。

それまで落語をちゃんと聞いたことすらありません。立川談志の落語は、何となく聞いたことがあるかもしれない・・・

「何だってんだおめぇさん」

「えぇ?そんなことねぇだろうよ。もいっぺん、ちゃんと確かめてごらんなさいよ」

「だから言ったじゃねぇかよ、間違いねぇんだから」

と、ここで実際お寺に行ってみたわけではありますが、お坊さんの姿なんてものは、どこにも見当たらず。

「あれ?誰もいやしねぇな」

「すいやせん。・・・すいやせーん!だれかぁ、いらっしゃいませんかねぇ!?」

落語というとこんな勝手なイメージで、たまに入るナレーション的な状況説明も入れると、ひとり三役くらいを上手く声色変えて話すのが凄い。

なんというか、役になりきってその世界に入りきらないと出来ないコトだろうなぁと思う。

そんなこんなで「バ・イ・ク」を読み終えたあと、YOUTUBEで落語の動画を観はじめている今日この頃ってなもんです。

時代が時代とはいえこんな面白いもんが、YOUTUBEってぇので、タダで見られていいんですかね。えぇ?

と、なぜか自分まで噺家さんの口調になっていく不思議・・・

 

あ。話が逸れてきちゃいました。

柳家小三治氏の「バ・イ・ク」、とても面白かったです。

読了後、久しぶり自身の北海道ツーリング日誌を読み直したり、ちょっとだけ再編集したり誤字脱字を直してみたりと楽しんでもみました。

そしてまた北海道に行こうかなぁ、なんてぇ思うわけであります。

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このVストに乗っているひと

けんけん

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鉄馬も好きだけど、本当の馬も好き。一口馬主やっていらっしゃるライダーさんいらっしゃいましたら、よろしくお願いします。「FTR223と行く」ブログを書き始めたら、なおさらバイクへの愛着が増してしまったので、そんな愛情をココにどんどん残していきます。どうぞ宜しくお願いします。