2018/02/15
以前、ジャンボジェット機を眺めに成田へ向かう途中、たまたま見つけた「オートパーラー シオヤ」という無人自販機のお店。
どこか懐かしくもあるその独特な佇まいと雰囲気に、一気にヤラれてしまったのだった。
知れば知るほどに奥深い、レトロ自販機の世界
実はオートパーラー シオヤに出会うまで「レトロ自販機」というワードさえ知らなかった。
ツイッター上に「良い感じのお店を見つけた!」と、上記オートパーラーシオヤのことを写真付きで投稿したところ、より詳しい方に教えて頂いたワードが「レトロ自販機」でした。
という訳で、今回は群馬にて贅沢にも2か所のレトロ自販機めぐりをしてきた日記。
丸美屋自販機コーナーで、さっそく今年の運を削ったお蕎麦の話
1軒めは、群馬県みどり市にある「丸美屋自販機コーナー」というイートインへ。
国道122号線沿いとは言え、山あいの道をかなり進んでいったところにあった。
レトロ自販機ではお馴染み「そば・うどん自販機」が2台、ラーメン1台、トーストサンドが1台。
そば・うどん自販機のうち、1台は青唐辛子天ぷら入り、もう1台は青唐辛子天ぷらなしという展開から、天ぷらモノに注力していることが伺える構成となっている。
販売機に貼られている、こちら手書きの貼り紙にある「大当たり えび天入り、中当たり さつまいも他」というワードが、それをまた如実に物語っている。
そして、「さつまいも」という文字のあとに、ちっちゃく「他」って書いてあり、また余計な想像を掻き立てられてしまう。これを目にした瞬間、こちらのオーナーは策士であるとお見受けしたのだった。
そして、もうひとつ。可愛らしく吹き出しを使ってまで強調している「舞茸天あたるかも?!」と、いう文言。
いやちょっと待てくれ。
大当たりはえび天のはずなのに「舞茸天あたるかも?!」だなんて、まいたけだけまた特別扱いしていると、何だか舞茸天が出たほうがレアを引き当てたみたいに思えてしまうじゃないか。むしろ舞茸天を引いたほうが大当たりなのかっ!?
そう惑わされてしまうあたり、やはりこちらのオーナーはかなりの策士に違いない。
そんなコトを想いつつカチャン、カチャンと250円を入れ、出来上がった出てきたお蕎麦にはなんと・・・。
端のほうに可愛らしいえび天、載っていた。うん、ただただ、純粋に嬉しかった笑
カレー味のトーストサンドも頂き、小腹を充分に満たすことができた。
ちなみにこのカレー味トーストサンド、自宅で余ったカレーを食パンに挟んでも美味しく食べられそうな感じ。今度やってみようと思う。
ドライブインななこしには、独特な空気が漂っていた
2軒めは、群馬県藤岡市郊外にある「ドライブイン七輿 (ななこし)」へ。富岡製糸場跡地から、30分ほど走った場所にある。
レトロ自販機は、そば・うどん、ラーメンの他にトーストサンド、ハンバーガーという構成。
「絶品自家製チャーシュー」という貼り紙があったので、こちらではラーメンを買ってみる。
肉厚で、しっかりと下味も付いているチャーシューが2枚、メンマも2切れ。歯応えしゃきしゃきで新鮮なネギも入っていて美味。
あと、ハンバーガーとトーストサンドも購入。
トーストサンド購入時、温め終わったあと出てくるはずの取り出し口にトーストが出てこず・・・
オーナーさんに問い合わせたところ、すぐさまその自販機をパカっと開けて確認して頂く。まさかレトロ自販機の中を見られるとは思っていなかったので、思わずその光景を撮ってしまった。
銀紙に包まれたトーストが、自販機の中でこんな風に回転しているんだと知ることができた貴重なシーン。
ちなみにコチラのハムトースト。かなりカラシが効いているので、小さなお子さん向きではないかも。
イートインスペース隣には懐かしくなってしまうゲーム筐体が幾つも並んでいて、至れり尽くせり。
写真のFLASH BALLというゲームは、玉を弾いて数字を揃えるビンゴ要素を取り入れた単純なものだけれど、ついつい夢中になってしまった・・・500円は使ったと思う。
これは勝手な印象なのだけれど「ドライブインななこし」はあまりに独特で強烈な雰囲気が漂い過ぎているからなのか、何故かしばらくすると気分が沈んでしまうような、不思議な感覚に陥りそうになる。
それは決してトーストが出てこなかったせいではないし、まして雰囲気が嫌いだった訳でもない。ただ、どこか懐かしいからと言う理由だけで、ここにずっと居ちゃいけないようなそんな感覚を覚えた。「ノスタルジック」と、ひと括りで表現するのは簡単だけれども、この場所はあまりに独特な時間がゆっくりと流れている。
「流れていた」のではなく、「今も流れ続けている」からこそ独特なのだろう。
決して誰かがそうしようと作為的な企みなど何もないのに、ちょっと油断をしたら簡単に足もとをすくわれそうな、そんな不思議な感覚。
まだ読んだことのない「つげ義春の温泉宿めぐり紀行」のような小説も、読中読後にきっと似たような感覚になりそうな気がする。
これからも機会あればレトロ自販機めぐりをしてみたいと思うのだけれど、もしかしたらソレに向いていないタイプの性格なのかもしれない。