2018/02/15
2021年2月7日のトリトンステークスに出走、9か月ぶりに勝利してオープンクラスに上り詰めたリリーバレロ。
そのあとまさかの中2週で2021年2月20日、京都牝馬ステークスに出走。
結果は11着だったけれども、最後に(最後じゃなかったのだけど)重賞レースを走る姿を見ることができてヨカッタ。
そんなふうに万感の思いを抱いていたところ・・・
なんと、また中2週で3月13日の中山牝馬ステークス出走に至ったのでした。
リリーバレロに改めて教えてもらった、競馬の楽しみかた
3歳未勝利も残すところ数か月という頃になんとかデビューした2018年6月から2020年5月に3勝目をあげるまで、約2年のあいだで9走しかしていない。
思うように調整ができないくらい体質的に弱いところがあったのだけれど、2021年2月のトリトンステークスで勝利し、晴れてオープンクラス馬になった。
もうこれで満足。もう、充分。あとはゆっくり休んで、いつかまたリリーバレロの仔に出資できたらいいなぁ。
なんて思っていたところ、堀さんは続戦を選択して京都牝馬ステークスに使うことに。
そんな京都牝馬を走り終え「あぁ、最後にGⅢのレースで走る姿を観ることができてよかったなぁ」って思っていた。
恐らくはこれで引退だろう・・・なんて思っていたら、まさかの中2週でGⅢ・中山牝馬ステークスである。繰り返しになるけれど、2年間で9レースしか走ることができなかったリリーバレロが、わずか1か月ちょっとの期間に3走することになるとは。
たしかに晩成型かもしれない。そして体質が丈夫になったと判断した結果とは言え酷使しすぎでは?
最後の最後になって、どうか故障だけはしないでほしい・・・
ラストランになる中山牝馬ステークスの前は、もはや楽しみよりも中2週続きのローテーションに一抹の不安を抱いたりもしていた。
そして2021年3月13日、中山牝馬ステークスの土曜日は春の荒天、馬場状態も天候も極めて不良のなか行われた。
最高のスタートを切ることができたリリーバレロ。向こう正面~3コーナーあたりまで重賞クラスの他馬のスピードと何ら遜色なく、流れに乗って走ってくれた。
3コーナーあたりから鞍上M・デムーロが押すように促したあたりで既に疲れが出てきてしまったか。それでも最後、14番の同クラブ馬・シーズンズギフトに並びかけられようとするところで再度、最後のスイッチが入ったようにも見えたあたり、やはり勝負根性に秀でた血統かもしれない。
結果は14着だったけれど、何はともあれ無事に走りきってくれたのでホッと安心しました。
これにてリリーバレロは引退です。
あとは繁殖に挙がるかどうかですが、おそらく来春頃に初仔を産むことになるのでしょう。
その仔がキャロットクラブの募集馬対象になるかどうか現時点では分からないけれど、リリーバレロの仔がターフを走る姿を観ることができるのは、そんなに遠い先のことではないような気がしています。
来春に初仔が産まれると仮定したら、順調であれば2023年の秋頃には出走するかもしれません。
これを書いているのが2021年3月なので、実質あと2年半ほどでしょうか・・・最近は1か月、1年がどんどん早く過ぎていくので、2年半も長いようであっという間のような気がします。
キャロットクラブ馬と共に過ぎていく1年、そしてまた1年
あらためて重賞レースを勝つということはそれだけで凄いことだし、本当に難しいことなのだなぁと実感。
ただ、キャロットクラブ馬のなかでも、近年ではリスグラシューやレシステンシア等など。なんだか簡単そうに重賞級レースで活躍し続ける馬がいるのもまた事実。
相馬眼(良い馬を観わける眼)も関係するかもしれないけれど、そんな風に活躍する馬とのめぐり合わせは、もはや運のようなものも関係しているのではないだろうか・・・
もちろん一度にいくつもの馬に出資したら、当然その確率もあがる訳だけれども。
ただ、1年に1頭(場合によっては見送るため、0頭)の、けんけん厩舎(の財務状況)にとって他頭数出資という手段はあまりにもハードルが高い笑
ただ、数を持って楽しむより「この1頭だ!」と思って絞り込んだ馬と共に、じっくりと哀楽を味わいたいという考えのほうが強くもあるので1年1頭という形は、きっとこれからも変わらような気はしている。
そんな楽しみ方のなか、リリーバレロが出資馬の中では初の「牝馬6歳引退の会員規約」ぎりぎりのところまで無事に走り切って現役引退を迎えてくれたことは本当に嬉しい。
そしてきっと数年後には「この馬のお母さん、6歳になってオープン馬になってくれたんだよネ!」とか「ラストランの中山牝馬の日、嵐みたいな大荒れの天気だったなぁ」とか、きっといつか色々なことを思い出す日がくると思っている。
2レース続けての重賞は11着、14着だったけれども自身にとっては、たぶん一生忘れないレースとなったのである。
GⅢ、しかも二桁台の着順なんて、多くの人の記憶にも残らない結果であり、馬だろう。でも、自分にとっては忘れられないリリーバレロ現役時代の思い出。
大きな舞台で活躍する姿を見ることはできなかったけれども、そんな気持ちや勝手な思い入れこそが、一生のうちの宝物のひとつだとも思うのでした。